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【和訳】気付くにはコトバだけでいい。ジェニー・ホルツァー、社会への眼差し鋭いキャッチコピー作品

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All images via Jenny Holzer.

「PROTECT ME FROM WHAT I WANT」

 (私の"欲"から私を護って)

 

大都会の交差点、無数の電光掲示板が眩しい光を放っている。けれどその多くは、通行人の心に止まることはない。日常に溶け込みすぎて、無意識のうちに無視されてしまう。

 

ハッと、二度見する。通常そこにあるべきでない文章が並ぶ。

「私の"欲"から私を護って」

 

この突拍子もない場面を、理解するのに少し時間がかかる。

 

自分はいつから”欲”に支配されてしまったのか

その”欲”はどこからやってくるのか

そもそも”欲”に終わりはあるのか

 

僕らが無意識のうちに抱える社会という幻想への違和感、それを言葉だけで表現してしまうジェニー・ホルツァーのインスタレーション。

 

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PRIVATE PROPERTY CREATED CRIME
私有財産、それが犯罪を生み出した

 

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ABUSE OF POWER COMES AS NO SURPRISE
権力の乱用、それは当然のことである

 

“I used language because I wanted to offer content that people—not necessarily art people—could understand.” 

「私が”言葉”を使うのは、アートを生業にしていない人にも理解できるコンテンツを届けたいからだ。」

この言葉は、彼女のアーティストとしてのスタンスを明らかにしている。。 彼女にとって大事なのは、みんなを巻き込むこと、議論を起こすこと、新たな視点を生み出すこと。

 

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MONEY CREATES TASTE
カネが嗜好を生み出す

 

今回紹介したのは、彼女の最も有名な作品郡、1977年にはじまった「Truisms」シリーズの一部だ 。

ニューヨークのタイムズ・スクエアの巨大なLEDディスプレイに、いくつもの"言葉"が次々と表示される。

それは無意識に目をそむけてしまっている、現代社会の歪みをシンプルな言葉で端的に表す。考えることを強制し、観る者を直接議論の場へ引きずり出す。

 

最近の作品でもっとも有名なインスタレーションはスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum Bilbao)にある。

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Jenny Holzer (ジェニー・ホルツァー)はアメリカ合衆国オハイオ州ガリポリス生まれ。 オハイオ大学で版画・絵画を学んだのち、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインに学び、「言葉」を取り込んだ作品を作り始める。 1977年にニューヨークに移住。電光掲示板、ポスター、公衆電話のチラシといったメディアを作品の発表手段として積極的に活用し、注目された。 作品に文章を多用するBarbara Kruger(バーバラ・クルーガー)とよく比較の対象になる 彼女も同じように、世の中に議論を引き起こすタイプのアート作品で有名である。 

 

■関連リンク

Tate Modern - Jenny Holzer

artnet - Jenny Holzer