水彩で砂漠を描くという奇跡。
細部まで目を凝らすと息が詰まるほどのディテールで、乾いて透き通った空気まで伝わってくる
これらの作品を描いたのは、オーガスタス・オズボーン・ランプロー(Augustus Osborne Lamplough 1877 - 1930)と呼ばれる英国人画家である
彼の素性についてあまり多くの情報が残っていないのだが、英国出身であり美術学校を卒業後、現在のリーズ・アーツ大学にて美術講師の職につき、その間に北アフリカの国々をめぐったらしい
彼の多くの作品は、エジプトをはじめとする北アフリカに暮らす人々の暮らしや風景を、水彩をつかって描いたものだ
そんな彼の作風にはオリエンタリズムという言葉でひとくくりにはできない魅力がある
オーガスタス・オズボーン・ランプローという画家独特の傍観者という視点、そして見知らぬ土地をファンタジーとして描く子供心で溢れた作品に、観ている側も冒険心がくすぐられる
陽が沈んでゆく過程で刻々と変化する空、その下に在るエジプトの歴史を描き出した傑作たち。
王朝が存在した時代からこの夕焼けの色は変わってないんだろうなあ
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