一本一本の線が、キャンバスの上を揺らめいているみたいで、
まさに、"線が生きている"
色彩が全く無いにも関わらずここまで惹きつけられるのは、クリムトが自分の目をしっかり使って描いてたからなんだろうなあ
今回はクリムト展が上野で開催中ということもあって、あまり知られていない、というか注目を浴びることの少ない「習作」にスポットライトを当てた記事を書いてみようと思う。無数に存在するグスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の習作の中から、特にお気に入りものを紹介したい。
ちなみに、クリムト展の詳細はこちら。
2019年4月23日から、国内クリムトの展覧会としては過去最大の「クリムト展 ウィーンと日本1900」東京都美術館でが始まる。これは絶対行ったほうが良いやつ。
そもそもの話しになるけど、ぼくは習作が好きだ。
習作には練習のために書かれただけ以上の魅力がある。 荒削りなままのキャンバスには、1つの作品が出来るまでの工程がありありと残っている。
画材、描き込み度合い、絵と絵の間の余白のとり方など、作家のキャラが滲み出ている。作家それぞれの個性をよりリアルに知ることができる。
描く対象をどう捉えているのか、人物の輪郭や温度、光や影、リズムをどう捉え、一つの作品にしようとしていたのか、という視点で絵を部分で見たり全体で見たりする。
そうすると、今はもう死んでしまっているのだけど、当時その瞬間の画家の気持ちが少し分かるようになって、まるで対話しているような気分になってくる。
完成品の作品では知ることのできない当時の画家のフィーリングに触れることができる気がする。
「習作=画家の残したメモ」みたいな観点で観てみるとたかがスケッチと思われがちな習作がすごい面白くなる。
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